先日、北本市荒井地区に本社を置く、第一三共バイオテック㈱を訪問し、ワクチン製造の現場を視察する機会を得ました。工場視察を通じて、国産ワクチンの安定供給という、医療の「安全保障」について理解を深めてきました。

同社は、第一三共グループで唯一のワクチン製造を担う、生産機能会社です。新型コロナウイルス感染症に対応するmRNAワクチン、はしか風疹混合生ワクチンなどを中心としたワクチン製造を行っています。自らのミッションを「ワクチンの安定供給を達成するとともに、バイオ医薬品の製造とバイオ生産技術の向上に取り組むことにより、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献します」としています。
長年のワクチン研究、製造で培ったウイルスや細菌培養を基盤としたバイオ生産技術を有することが、同社の企業としての強みだそうです。同社が製造したワクチンは、生きたウイルスなど比較的不安定な物質を主成分としているとのことで、各製造工程における工程管理が非常に重要となります。このため、経営陣、従業員が一体となり、品質管理体制の維持・向上に努めることで、高品質なワクチンを供給しているとのことでした。

同社が製造するワクチンの多くは、地方自治体が行う定期の予防接種に使用されており、担当者は「ワクチンを確実かつ安定的に社会へ供給する責務があり、今後も感染症の蔓延防止にいち早く対応し、社会のニーズに応えたい」と話されていました。
今後の新たな取り組みとして、ワクチンの製造プロセスの開発や改良で得られた知見をバイオ医薬品の治験薬の製造・製法検討に活かし、バイオ医薬品の開発につなげたいとのことです。








